発泡スチロールの種類と作られ方
普段なにげなく利用している発泡スチロールの種類と作られ方、これを正確に言える方はそういないでしょう。まず発泡スチロールには大きく分けて3つの種類が存在します。「PSP(発砲スチレンシート)」「EPS(ビーズ法発泡スチロール)」「XPS(押出発泡ポリスチレン)」の3つで、これら種類によって用途が大きく異なってきます。
たとえば、PSPは主に食品の容器に使われるもの。主婦の方ならほぼ毎日見るであろう、肉や刺身などが乗っている容器のことです。基本的には白色ですが、中には青や茶色がかったものもありますね。肉や魚のトレー以外の用途としてはカップ麺の容器や納豆の容器、果物のパックなど。スーパーに行けば目に入らないことの方が少ないもので、最も身近な発泡スチロールと言えそうです。
EPSは主に家電の梱包などに使われる発泡スチロールで、これも見かける機会が多いですね。通販などで購入した家電を衝撃から守ってくれます。XPSについては主に建築関係や土木関係で使われるので一般の人が見かける機会は少なめ。とはいえ、断熱などを担う大切な素材です。真っ白ではなく青や緑などに着色されています。
さて、このように種類豊富な発泡スチロールはどうやって作られるのか。これには大きく「重合」「予備発砲」「成形」といった3つの工程が関係します。まず、石油から作られたスチレンモノマーを水中でかき混ぜ小さなツブにし、そこに発泡剤を加えます。そうすると原料ビーズと呼ばれる発泡スチロールの原料が出来るのです。
次に予備発砲。蒸気をあてることで原料ビーズを膨らませていきます。これは発泡ビーズと呼ばれる状態で、顕微鏡などで拡大してみるとそれぞれが空気の部屋で仕切られているのが分かります。簡単に言えばエアインみたいな状態ですね。だからこそ発泡スチロールは軽いわけです。最後に、発泡スチロールを決められた金型にいれ形を整える成形作業を行います。金型に入れたのち蒸気を再度あてることで、既に膨らんだビーズがさらに膨らみ、金型通りの形となって完成します。
ちなみに、発泡スチロールは種類によって膨らませる倍率が違います。食品の容器などに使われるPSPは数倍から数十倍に発砲、家電の梱包などに使われるEPSは50倍程度に発泡、住宅や土木関係に使われるXPSは50から100倍程度に発泡させるのです。利用する対象が大きくなれば大きくなるほど発泡の倍率が上がると考えておけば覚えやすいでしょう。